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読売新聞2011年8月14日
堺市堺区の賃貸マンション(5階建て)で、訪問介護事業者(大阪市)が、認知症などの高齢者を入居させて鍵を預かるなど行動を制限していた疑いがあるとして堺市の立ち入り調査を受けた問題で、この業者の社長らが13日、大阪市内で記者会見し、「鍵を預かっていることなどは全て堺市に相談していた」などと反論した。
社長らは、入居者11人中7人から部屋の鍵を預かり、複数の入居者の通帳を管理していたことを認め、「本人や家族からの要望で同意書も取っていた」と説明。さらに、「堺市のケースワーカーに説明して了承を得ており、(立ち入り調査は)はしごを外された気分だ」と話した。
全ての部屋のドアに外側からしか開けられない鍵がついていたことについては、「家主がつけたもので、一度も使ったことはない」とした。
業者は大阪市内でも3か所の賃貸マンションで、病院を退院する高齢者約30人を入居させ、介護サービスを提供しており、やはり一部の入居者から鍵や通帳を預かっているという。
社長らの説明に対し、堺市は「ケースワーカーに確認中だが、鍵や
通帳を預かることを市として認めた事はない」としている。
市によると、立ち入りしたマンションでは昨年6月、この業者から「入居男性が徘徊するので、出られないように、居室のドアの鍵を内側から開けられないようにした」と報告があったため、やめるように何度も指導してきたという。業者が応じなかったため、身体拘束による虐待と判断し、今月2月、その部屋に住む生活保護受給者で認知症の男性(82)を転居させていた。