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産経新聞2010年3月15日
法律の専門家や公的機関からアドバイスを受けながら遺言書を作成する動きが広がっている。遺言者の意思を家族に伝え、相続でしこりを残さないために有効な遺言書だが、法的な条件を満たしていなければ効力を失ってしまう。相続のプロに頼るメリットは大きい。
遺言書の作成には、公正証書と自筆証書によるものがある。しかし、遺言書の実効性という点で、前者が圧倒的に優れている。日本公証人連合会(東京都千代田区)によると、公正証書による遺言の作成件数は平成20年は約7万6400件で、4年前に比べて約9500件増加している。
同連合会広報担当の熊澤孝さんは「ここ数年、50代、60代のうちから遺言書の作成に取りかかる人が増えている。病床で遺言書を作るよりも元気なうちに書いたほうが間違いがないし、老後の心配も解消される。遺言とは最後のラブレター。残された家族への思いが実現されなければ意味がない。できるだけ自筆証書の遺言書は避けてほしい」と呼びかける。
遺言書は書式に厳格で、表現に細心の注意が必要だが、一方で書き換えに応じる柔軟性を持つ。時間の経過とともに遺産分割をめぐる家族の状況が一変するからだ。遺言書を作成後、財産を受け取る人が先に死亡したり、感情の変化が起こらないともかぎらない。
遺産分割の手続きに詳しい弁護士、中根秀樹さんは遺言書作成上の注意点として、